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    R.E.M. / Automatic for the People

    • 2008.05.03 Saturday
    • 10:36
    試聴 試聴

    先日リリースされたニューアルバム『Accelerate』では、結成28年目とは思えないほど若々しいロックンロールを聴かせてくれたR.E.M. 。2007年にはロックの殿堂入りを果たすなど今やアメリカを代表するグループであるが、カレッジ・チャートで人気を得たインディーズ時代からメジャーへ移っても常にオルタナティブな精神を持ち続ける彼らの姿勢は多くの共感を呼び、“世界で最も重要なロックンロール・バンド”、“アメリカの良心”などと称されている。

    数あるアルバムの中でも特にぼくが好きなのは、1992年リリースの8枚目となる本作『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』。もう何度聴いたかわからない程に今でも繰り返し繰り返し聴いている。彼らの最高傑作であると同時に、90年代ロックの名盤を語る上では外せない一枚だと思う。
    カート・コバーンが自殺の直前にこのアルバムを聴いていたという逸話は有名だが、ぼくはその話に一抹の違和感を覚える。このように素晴らしく美しく、やさしさの中に希望の見える音楽を聴きながら、同じように音楽を愛していたはずの男がなぜ自殺という最悪の選択を思いとどまらなかったのか残念でならないのだ。

    全世界で1500万枚以上という驚異的なセールスを記録した本作は「死」をテーマにしたアルバムであり、今までの彼らの作品からすると地味で暗い印象を受ける。内省的なサウンドと歌詞は確かに、病めるアメリカとも言われた当時の世相を反映していたものであろう。しかし、ただ単に「暗い」という言葉だけではこのアルバムの魅力は説明できない。アルバムを一通り聴き終えた時に感じるのはむしろ、暗いという言葉から連想されるネガティヴな感情とは正反対の感情だ。静かに胸の奥に芽生えるようにささやかな、そしてかけがえのないものであるように思う。

    アルバムは、最も暗いトーンの「ドライブ」で幕を開ける。ふらふらと迷走した挙げ句にヤブの中へ突っ込んでいく死のドライブとは、迷走する自国への皮肉とも取れる。先行シングルとしては似つかわしくないほどに重く暗い曲である。続く「トライ・ノット・トゥ・ブリーズ」にしても穏やかで美しいメロディではあるが、歌詞は人間の暗部を見つめたものであり、いづれも死の影がつきまとう。そして4曲目「エブリバディ・ハーツ」。R.E.M.史上屈指のバラードとなった名曲であり、アルバム前半のハイライトとなる非常に重要な曲。
     ひとりぼっちで こんな人生はもうたくさんだと思っても
     元気を出して 誰だって傷つくときがあるし 誰だって泣くんだから
     だから頑張るんだよ
    歌詞だけ見れば安易な応援ソングのようだ。ウィットに富んだユーモアと知性を持つ彼らにしてみれば、驚くほどベタなストレートさである。しかしそれは、様々な労苦を経験してきたバンドだからこそ胸を打つ。訥々としたマイケル・スタイプのボーカルは実にやさしく、世界の混乱を憂いながらもそれでも前に進んでいく、このバンドを続けて行くという彼らの静かな決意が感じられる。泣ける曲だ。

    ここからアルバムの中盤以降は、たゆたうように穏やかな曲が続く。どれも滋味深く心に沁み入るものばかりだが、特にラスト3曲の流れは感動的だ。伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンのことを歌った「マン・オン・ザ・ムーン」(後に公開されるジム・キャリー主演の映画では同曲が主題歌となった)、ギグの後アセンズ周辺の湖に泳ぎにいった青春の記憶を歌ったという「ナイトスイミング」はただただ美しく、月明かりに照らされる水面が目に浮かぶようだ。そして自己探求の旅路の末に、静かに流れる川を見つける「ファインド・ザ・リバー」。それはゴールのようでもありスタートのようでもある。余韻を残しながらこのアルバムのラストを締めくくるにふさわしい。

    聴き終わった時に残るのは、まるで1本の映画を観終わったような感動と充足感。死をテーマにしたアルバムというけれども、それは単なる死=無ではなく、死を見つめた上で生について再考させられるものであり、生と死は表裏一体なのだと気づかされるものだ。マイケル・スタイプの歌声はそう語りかけているかの如く、その真摯なまなざしは真直ぐに前を見据えている。捨て曲がひとつもないというレベルではなく、すべてが名曲、1曲たりとも欠く事のできない完璧なアルバムだと思う。音楽を愛する全ての人に聴いて欲しい。

    Tracklist:
    01. Drive
    02. Try Not To Breathe
    03. The Sidewinder Sleeps Tonight
    04. Everybody Hurts
    05. New Orleans Instrumental No.1
    06. Sweetness Follows
    07. Monty Got A Raw Deal
    08. Ignoreland
    09. Star Me Kitten
    10. Man On The Moon
    11. Nightswimming
    12. Find The River

    R.E.M. / Automatic for the People に関する記事:
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    Profile:
    R.E.M.
    R.E.M. [アール・イー・エム]
     マイケル・スタイプ(vo)
     ピーター・バック(g)
     マイク・ミルズ(b)
    '80年、マイケル・スタイプ(vo)、ピーター・バック(g)、マイク・ミルズ(b)、ビル・ベリー(ds)の4人によってジョージア州アセンズで結成。'83年にアルバム『マーマー』でデビューし、"Rolling Stone"誌で"Best Album Of The Year"に輝く。'87年発表の『ドキュメント』が初のプラティナム・ディスクに輝き、"Rolling Stone"誌において"America's Best Rock & Roll Band"と絶賛される。'88年、Warner Bros. Recordsに移籍し『グリーン』をリリース。'89年、2回目の来日公演を皮切りに"グリーン・ワールド・ツアー"をスタートし、アルバムはトリプル・プラチナム・ディスクに輝く。'91年にはアルバム『アウト・オブ・タイム』をリリースし、ビルボード・アルバム・チャートで1位を獲得。全世界で1,000万枚を突破するセールスを記録、同年のMTV大賞で6部門を受賞し、翌'92年の第34回グラミー賞においても最多の7部門にノミネート、主要3部門を受賞する。同'92年にリリースされたアルバム『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』は『アウト・オブ・タイム』を凌ぐセールスを記録、'94年のMTV大賞で最多の4部門を受賞する。同'94年アルバム『モンスター』をリリース。'95年、オーストラリアを皮切りにスタートした"モンスター・ツアー"で3回目の来日、今や伝説となった"武道館2DAYS公演"を行った。'96年8月、Warner Bros. Recordsと音楽史上最高額という8,000万ドルで再契約を結び、大きな話題を呼ぶ。
    '97年10月、ビル・ベリー(ds)が脱退し、"3人のR.E.M."として初めてのアルバム『UP』をリリース。'04年に3年ぶりのアルバム『アラウンド・ザ・サン』を発表し、05年3月には10年ぶりの来日公演を実現している。(ワーナーより抜粋)

    関連:
    オフィシャル
    MySpace
    ファン・サイト:The Museum Of R.E.M.(日本語)

    ブログ内検索:R.E.M.

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    • 2014.01.14 Tuesday
    • 10:36
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      コメント
      ボクはこのアルバムが一番好きです。
      というより、人生の中でも一番思い入れのあるアルバムです。
      今でも、Everyday hurts聞くと泣けちゃいますし。w

      でも、曲としてはDaysleeperが一番好きなんですけどね。

      いやぁ、久しぶりに聞いてみようと思いました。
      ありがとうございます。
      • slow
      • 2008/05/05 4:59 PM
      slowさんコメントありがとうございます。

      やはりリアルタイムで聴いていたものには格別の思いがありますよね。
      ぼくも久しぶりに聴き直したのですが、当時の感動は全く色褪せていませんでした。ジャケット等は色褪せてきましたが、ずっと大切にしたい一枚です。

      Daysleeperも名曲ですね、ぼくも好きです。
      • 山やま
      • 2008/05/05 11:30 PM
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