2008.11.29 Saturday
ZAZEN BOYS / ZAZEN BOYS 4
バンドの一大転機となるべく1・8・9曲目で大幅に導入されたハウス・サウンド。U2やプライマル・スクリームをはじめ、ロック・バンドがダンス・ミュージックやエレクトロニクスを導入するという図式はもはや新しくも何ともない。むしろ飽和状態さえも通り過ぎて生音への回帰が近年ではスタンダードになっている訳だから、何を今更と思うかもしれない。ところが向井氏が奏でるシンセのリフは、ZAZEN BOYSのサウンドに驚きと感動を呼び起こす。というのは、彼らの外貌におよそ似つかわしく無いロマンティシズムに溢れた叙情性。アンダーワールドやプライマル・スクリームがそうだったように、90年代ロック世代のぼくが夢中になったダンス・ミュージックは享楽的であると同時に、とてもセンチメンタルだったのだ。そして今作で提示されるハウス・サウンドからはメランコリックなまでの感傷を呼び起こす。アルバムのラスト曲にして本作のハイライトでもある屈指の名曲「Sabaku」の中の“寂しい”という一言がそれを象徴しているのかもしれない。
打込みにしても、とりあえず入れてみました的な安直で軽薄な感じが全くない。もともとバンド・サウンドでファンクの肉感性を体現していただけに決して付け焼き刃ではないのだ。おそらくこれまでの彼らのサウンドを継承するのであろう、ソリッドなギターがリフレインするファンク・サウンドも非常にパワフルでアグレッシブ。打込みとバンド・サウンドが違和感無く並び、アルバム全体として力強いグルーヴを打ち出している。聴くのにも体力が要るが、それだけの充実感は得られると思う。
腰にくるファンクの粘着性、ロックのダイナミズム、ハウスの恍惚感、パンクの切れ味、その全てを飲み込んでしまったZAZEN BOYS4枚目のアルバムは、向井氏が持つエクスペリメンタルな精神とロマンティシズムが強烈な肉感性を伴って結実した傑作なのでした。本年度のベスト入り確定。
衝撃度では5つ星だけど、向井氏の粘着系でクセがあるボーカルにより妻と一緒に聴けないので-1。普通に歌ってくれれば…(「Sabaku」のボーカルすごくいいですよね)。
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打込みにしても、とりあえず入れてみました的な安直で軽薄な感じが全くない。もともとバンド・サウンドでファンクの肉感性を体現していただけに決して付け焼き刃ではないのだ。おそらくこれまでの彼らのサウンドを継承するのであろう、ソリッドなギターがリフレインするファンク・サウンドも非常にパワフルでアグレッシブ。打込みとバンド・サウンドが違和感無く並び、アルバム全体として力強いグルーヴを打ち出している。聴くのにも体力が要るが、それだけの充実感は得られると思う。
腰にくるファンクの粘着性、ロックのダイナミズム、ハウスの恍惚感、パンクの切れ味、その全てを飲み込んでしまったZAZEN BOYS4枚目のアルバムは、向井氏が持つエクスペリメンタルな精神とロマンティシズムが強烈な肉感性を伴って結実した傑作なのでした。本年度のベスト入り確定。
衝撃度では5つ星だけど、向井氏の粘着系でクセがあるボーカルにより妻と一緒に聴けないので-1。普通に歌ってくれれば…(「Sabaku」のボーカルすごくいいですよね)。
Tracklist:
1. Asobi
2. Honnnoji
3. Weekend
4. Idiot Funk
5. Memories
6. Fureai
7. Taratine
8. The Drifting/I Don't Wanna Be With You
9. Sabaku
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作家 古川日出男によるテキスト:向井秀徳情報
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ZAZEN BOYS [ザゼン・ボーイズ]
向井秀徳・吉兼聡・松下敦・吉田一郎
元ナンバーガールの向井秀徳が率いるバンド。向井が立ち上げたレーベル「MATSURI STUDIO」所属。自らを「法被を着たレッド・ツェッペリン」と称している。
ナンバーガール解散後、向井秀徳が自らの求める音楽を実行するために、ナンバーガール時代からの盟友であるドラム、アヒト・イナザワと共に結成。サポートメンバーとしてベースに日向秀和、ギターに吉兼聡を迎え本格的な活動を開始する。2004年12月30日のCOUNTDOWN JAPAN04/05のライブをもってアヒト・イナザワが脱退。2005年1月には、ドラムに松下敦が加入。2007年2月、日向秀和が脱退。同3月、ベースに吉田一郎が加入。(Wikipediaより抜粋)
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