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    R.E.M. / Around the Sun

    • 2009.04.22 Wednesday
    • 12:45
    試聴 試聴

    前作『Reveal』での開放感に比べると、このアルバムは暗く重い。今だから断言できるが、間違い無く影響を与えているのは前作のリリース後に起こった”9.11”。未曾有の大事件の後、混迷を極めるアメリカの姿を反映するような作品になった。

    リリースは2004年、大統領選イヤーである。彼らは政治色の強いバンドとしても人気であり、1988年の『GREEN』は大統領選挙日と同日に発売され「Two Things To Do November 8(11月8日にすべきふたつのこと──アルバム購入と選挙に行こう)」という宣伝文句を謳ったりしている。本作がリリースされる前年の2003年、ブッシュ政権は半ば強引にイラク戦争へと突き進んだ。これには国内から反対の声も多く、R.E.M.はエミネムやマイケル・ムーアらと並び反ブッシュを掲げ、民主党への投票を訴えた。

    ただしこのアルバム自体は、マイケル・ムーアの作品のような直接的にブッシュ政権への怒りに満ちたアグレッシブな作品では無い。このアルバムから感じられるのは、圧倒的なまでの”哀しみ”だ。冒頭から、ちょっと切なくなる程につらく哀しい曲調が続く。ここでの彼らのまなざしは、政権そのものよりも現場の方を向いている。無謀な政策のツケを払わされるのは一般市民なのだ。戦争をけしかけるのは机の上の官僚で、実際に心の傷を負うのは現場の兵士なのだ。この捩じれた社会の中で生きる”哀しみ”がひしひしと伝わってくる。
    でもこのアルバムは”哀しみ”だけでは終わらない。後半はあたたかな曲調へと展開していく。アメリカの”哀しみ”を受け止めて、それでも絶望しない彼らがここにある。威勢の良い言葉はどこにも無い。マイケル・スタイプのボーカルは優しくあたたかい。

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    結局04年はブッシュが再選。この時の彼らのやるせなさは推して知るべしであろう。再選後のブッシュ政権はイラク戦争の正当性を主張するも開戦の大きな理由だった大量破壊兵器の証拠は出てこないまま、世界の覇権を握るどころか自らの首を絞め、国内に於いても赤と青の二分化、富裕層と貧困層の経済格差など回復不能と思える程の深刻なダメージを負ったのは周知の通りだ。このアルバムが持つ”哀しみ”が、より深く感じられる世界になってしまった。

    そういえば昨年ニール・ヤングが「音楽で世界を変えることができた時代は過ぎ去った。」という発言をして話題になった。多くの示唆を見いだすことが出来る、重い発言だと思う。
    R.E.M.がシュワルツネッガーのように選挙に首を突っ込む事は無いと思うし、彼らの政治的メッセージというのは、特定の候補者に市民を煽動する類いのものでは無いと思うのだがどうだろうか。いずれにしても、そういった活動から読みとるべきは、もっとひとりひとりが賢くならないといけないという意識の変革にこそあると思う。アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らないとのことだが、市民が成熟しない限りは民主主義はあり得ないのだから。

    アメリカはこの4年間で対外的にも対内的にもドン底までいった結果、普段選挙に行かないような層も政治への関心を持つようになり、またそこからの突き上げによって白人たちの意識も変わり始め、遂に黒人初の大統領が誕生した。2008年の大統領選はどんな映画よりもドラマチックで感動的だった。ブッシュ政権が残した負の遺産が山積みで前途多難なオバマ政権だが、アメリカ再生への一歩となるか。今後のR.E.M.の作品も楽しみだ。

    Tracklist:
    1. Leaving New York
    2. Electron Blue
    3. The Outsiders
    4. Make It All Ok
    5. Final Straw
    6. I Wanted to Be Wrong
    7. Wander Lust
    8. The Boy in the Well
    9. Aftermath
    10. High Speed Train
    11. Worst Joke Ever
    12. The Ascent of Man
    13. Around the Sun

    R.E.M. / Around the Sun に関する記事:
    レビュー:Krafty

    Profile:
    R.E.M.
    R.E.M. [アール・イー・エム]
     マイケル・スタイプ(vo)
     ピーター・バック(g)
     マイク・ミルズ(b)
    '80年、マイケル・スタイプ(vo)、ピーター・バック(g)、マイク・ミルズ(b)、ビル・ベリー(ds)の4人によってジョージア州アセンズで結成。'83年にアルバム『マーマー』でデビューし、"Rolling Stone"誌で"Best Album Of The Year"に輝く。'87年発表の『ドキュメント』が初のプラティナム・ディスクに輝き、"Rolling Stone"誌において"America's Best Rock & Roll Band"と絶賛される。'88年、Warner Bros. Recordsに移籍し『グリーン』をリリース。'89年、2回目の来日公演を皮切りに"グリーン・ワールド・ツアー"をスタートし、アルバムはトリプル・プラチナム・ディスクに輝く。'91年にはアルバム『アウト・オブ・タイム』をリリースし、ビルボード・アルバム・チャートで1位を獲得。全世界で1,000万枚を突破するセールスを記録、同年のMTV大賞で6部門を受賞し、翌'92年の第34回グラミー賞においても最多の7部門にノミネート、主要3部門を受賞する。同'92年にリリースされたアルバム『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』は『アウト・オブ・タイム』を凌ぐセールスを記録、'94年のMTV大賞で最多の4部門を受賞する。同'94年アルバム『モンスター』をリリース。'95年、オーストラリアを皮切りにスタートした"モンスター・ツアー"で3回目の来日、今や伝説となった"武道館2DAYS公演"を行った。'96年8月、Warner Bros. Recordsと音楽史上最高額という8,000万ドルで再契約を結び、大きな話題を呼ぶ。
    '97年10月、ビル・ベリー(ds)が脱退し、"3人のR.E.M."として初めてのアルバム『UP』をリリース。'04年に3年ぶりのアルバム『アラウンド・ザ・サン』を発表し、05年3月には10年ぶりの来日公演を実現している。(ワーナーより)

    関連:
    オフィシャル
    MySpace
    ファン・サイト:The Museum Of R.E.M.(日本語)

    ブログ内検索:R.E.M.

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