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    電気に魅せられて

    • 2011.06.17 Friday
    • 09:22
    ユニコーンの魅力は、5者5様の音楽性とキャラクターが各々を受け入れながらユルく共存していること、と書きました。それから、「いい年したおっさんが好きなことやってる」ということも(過去記事:ユニコーンが示すもの)。この、オッサン的魅力を醸し出しているいい具合なバンドがあります。

    ぼくはもともと熱心なファンというほどでもなく、まあふつうに好きなバンドのひとつでした。音楽的にはカッコよくて、キャラ的にはバカやってる人たちだよなあ、という感じで。それが先日、『Live at FUJI ROCK FESTIVAL ’06』の映像を見たのをきっかけに、彼らに対する見方が変わりました。バカはバカなんですけど、めちゃめちゃカッコいいじゃないですか。すてきに「カッコいい大人」じゃないですか。

    電気グルーヴ
    キューンレコード
    発売日:2007-10-24


    電気グルーヴ。3万人の観衆を熱狂させた、2006年フジロックステージの模様を収録したDVDです。「N.O.」をはじめ、「Shangri-La」「虹」「かっこいいジャンパー」「あすなろサンシャイン」「富士山」などのヒット曲を惜しげもなく披露したセットリスト。ぼくは彼らのことをあまり詳しく知らないので、Amazonに寄せられたレビューを参考に見てみます。それは「一番求められている電気グルーヴ」を最大級に再現したセットリスト、だったそうです。

    昔から電気を見ている人ならご存知だろうが、かつては基本的に 「N.O.」や「虹」、「Shangri-La」などの観客が求める曲はやらなかった。

    例えやったとしても、絶妙にアレンジを変えて(時にはビックリするほど格好良く、 時にはウンザリするほどフザケきって)、ストレートにやる事は滅多に無かった。 しかし、それでも電気グルーヴのライブが素晴らしかったのは、 そのスカシ方が余りにも格好よかったし、ふざけ方が一流であり、 その丁度いいテンションは彼らにしか出せないものだったからだ。

    しかし、あの日のフジロックでのライブは今までと違っていた。
    二人は明らかに本気だった。

    そこには、はじめて電気グルーヴというモノに正直に向かい合った二人がいた。

    - Amazonカスタマーレビューより


    すばらしいレビューだと思います。石野卓球とピエール瀧という人物をおぼろげながらも知っているならば、このレビューが言わんとしていることは、なんだかよくわかる気がします。だとしたら、これはちょっと感動的なライブだったのではないでしょうか。奇跡の一夜だったのではないでしょうか。こんなレビューもありました。

    「ロッキング・オン・ジャパン」のインタビューで、卓球は「06年のフジロックで、何かが確実に終わった」と振り返っています。

    - Amazonカスタマーレビューより



    1曲目「N.O.」(試聴)から、ふっ切れたように熱唱する卓球。うろうろと歩き回ってサポートする瀧。腹の出たおっさんです。おっさんが、おっさんであること(トホホ感)を隠さずに、おっさんである自分(トホホ感)を受け入れて、少年のよう(キャハハ感)に歌う。その光景はやはりちょっと感動的です。

    彼らがなぜ以前、観客が求める曲はやらなかったのか。単にひねくれ者なのか、意地悪なのか、職人としてのこだわりなのか、音楽性の問題なのか。道を究めてストイックになるほど、大衆受けのするポップソングを軽んじたくなる気持ちはわかります(それはぼくにもあるから)。でも彼らがなぜ以前、観客が求める曲はやらなかったのか、ほんとうのところは、ぼくにはわかりません。そして、なぜこのフジロックで解禁したのか。彼ら自身がやりたかったからなのか、観客が求めるということに応えたのか、それもぼくにはわかりません。

    ただいずれにしても、ここでの電気が出した答えはこういうことだと思います。それは、「観客が求める自分」もぜんぶ含めて「自分」だということ。おっさんである自分を受け入れるのと同時に、観客が求める自分も受け入れるということ。それが、このライブでのふっ切れ具合につながっているのではないかと思うのです。

    さらに言うと、卓球が自分で追求したいと思う音楽性よりも、観客が求める曲を重視したというのだとしたら、これはまたひとつの答えを示していると思います。どういうことかというと、自分が信じる音楽道も大切だけれども、ここでは、観客との「関係性」に重きを置いた、というよりも「関係性」の中によろこびを見いだした、ということではないかと思われるからです。はなしとびますが、釈徹宗さんが『おせっかい教育論』の中で、「大阪人の会話は適当に相手に合わせ、その場の流れがよければ内容はなんでもいいと思っているフシがある」と述べていました。それはいい加減であるけれども、「相手の話しに合わせて語ろうとするのは、語りの一貫性よりも関係性を優先させている証拠である。相手の流れに身をまかすことをよしとしている態度の表れである」と。つまり、自分の正論ばかりを主張していたら、多様な価値観の中では対立を生むだけです。相手を打ち負かして排除しようという閉鎖性につながります。多様性のなかでたのしく過ごすには、その多様な関係性をたのしむことにあるのではないかという気がします(ツイッターにもそういう面があるように感じます)。電気と観客の関係性がここではこんなに「たのしそう」に見えるから。

    2曲目「Shangri-La」以降も、怒濤のヒットチューンをイカしたサウンドにのせて駆け抜けます。(サポートメンバーとして、いまは亡きKAGAMIが参加しているのも要因のひとつかもしれませんね。)ぼくははじめて聴いた「新幹線」「レアクティオーン」という曲もかっこよかった。

    そして、9曲目「富士山」(試聴)は、瀧がいちばん輝く瞬間。
    どう輝くかというと、こんなふうに。

    /^o^\フッジッサーン

    太鼓のように打ち鳴らされるパーカッションの嵐の中、富士山と化した瀧の頭からは煙が吹き出し、聴衆と一緒になって「フッジッサーン!フッジッサーン!」の連呼。とにもかくにも「フッジッサーン!フッジッサーン!」同じアホなら「フッジッサーン!フッジッサーン!」

    これって「祭り」ですよね。
    ハレとケの文化における、ハレとしての祭りのダイナミズムを感じます。糸井重里鼎談集『経験を盗め -文化を楽しむ編-』の中で、みうらじゅん氏は「祭りって、年に一度のパンクなのかな」と言っていました。森田三郎氏は「祭りは、いつもと違った状態にすることが大事な仕掛け」だと。以前ピエール瀧が出演していたNHKの番組「ようこそ先輩」で、彼が担当した授業もそんなテーマでした。このことは深い内容だと思うので、またじっくりとべつの記事で考えることにして、要約すると、たまにはハジけようぜ!ってことだと思います。年とともに腹が出てきたとしても。

    ピエール瀧がこのバンドにいる理由もそこんところにあると思うんです。参考までに、ピエール瀧って電気グルーヴで何をしてる人なの?という記事の中に、彼の役割を端的に示した動画がありますのでお時間のある方は見てみてください。

    ラスト、10曲目は「虹」(試聴)。
    日本のテクノの中で、ぼくがいちばん好きな曲です。06年バージョンのアレンジが施され、グルーヴ感と美しさがとけ合ったこの曲は、この日のラストを飾るにふさわしいものになっています。これ現場にいたら泣くでしょうね。

    そんなこんなで、ぼくは本気の電気グルーヴにやられてしまったのでした。


    ところで石野卓球は、震災後の3月24日に「電気グルーヴからのお知らせ。」というツイートともに新たなロゴを公開?しました(これ)。これって、卓球なりのメッセージなんでしょうか。節電の呼びかけ?電気を使う自分らへの皮肉?いやいや、ただ単におもろいからやっただけだと、ぼくは思います。ええ、(分別のある)大人なのにです。そんな電気が、ぼくは好きです。

    関連:
    電気グルーヴ オフィシャルウェブサイト
    「N.O.」PV
    節電呼びかけ?石野卓球さんが“節電気グルーヴ”のロゴを公開

    電気GROOVE,子門’z,瀧勝
    キューンレコード
    発売日:1994-08-01

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